東北にお酒を飲みに行った話。

ずっと昔 (写真を見返すと2013年に) 一度だけ行った秋田の居酒屋さんにまた行きたくなって、休みを利用して行ってきました。せっかくなので、天ぷら屋さんも予約して、昼天ぷら・夜居酒屋というコースです。

はじめは一泊二日で行こうと思っていたのですが、行きの電車を調べていたら、秋田新幹線で東京から4時間くらいかかるので、12時の昼ごはんの予約に間に合うためには、東京駅を7時台に出発しないと行けないことに気づいてしまいました。休日に6時起きはつらいので、前泊することにして、一度いってみたい居酒屋のある鶴岡市に行くことにしました。

一日目は、上越新幹線に乗って、新潟経由で鶴岡に向かいます。これもちゃんと調べていなかったので、東京駅を12:40の新幹線に乗ったら、鶴岡到着が17:00くらいでした。鶴岡観光でもできるかなぁと思っていましたが、全く時間はなくてすぐに一軒目のお店に向かいました。

鶴岡での一軒目は、いな舟 (tabelog) という居酒屋です。ここは太田和彦さんの本に何度も出てくるお店です。「太田和彦の日本百名居酒屋」というDVDで見た時は、男性の料理人の方が料理を作っていましたが、今は女将が自ら包丁を握っていました。他に2組のお客さんがいたのですが、どちらも県外の方で太田和彦居酒屋めぐりをしているようでした。女将さんが大田さんに初めて会ったのは彼女が高校生の時代、大田さんが居酒屋研究会というのを主催して日本全国をめぐっていたときといことでした(本で読んだことがある)。ビールと栄光富士のお燗を2本のんだところで食事も食べ終わり、そろそろ帰ろうかと思ったのですが、まだ夜の7時前で、外も明るかったので次のお店のおすすめを聞いたところ、近くのバーを薦めてもらいました。

二軒目は薦めていただいたChiC (シック) というバーです (tabelog)。かなり席数の多いバーでしたがマスターがひとりでやっておられました。マスターは東京で修行をされたらしく、東京から来たというと、普段はどのあたりで飲んでいるのか、どこどこのバーには行ったことあるか、みたいなことを聞かれました。そして、鶴岡のバーの話をしているときに、80歳以上の女性のバーテンダーがやっているバーがある、という話を伺って、三軒目はそこに行ってみることにしました。ChiCでは2杯カクテルを飲んだのですが、何を飲んだか忘れてしまいました。。

三軒目は、南蛮居酒屋89 (tabelog)、看板には平仮名で「やぐ」と書かれていて、ChiCのマスターも「やぐさん」と呼んでいました。このお店も客は自分ひとりだったので、バーテンの矢口さんの昔ばなしをいろいろと聞いていました (ご主人を亡くされて、バーを継いだそうです)。最近は手が痛くてシェイカーが振れないそうで、お酒は「ひゃっこいの」と呼ばれているスカイボール一択です。たくさん飲んだあとでしたがスッキリ美味しくておかわりしてしまいました。

二日目、せっかく酒田市が近いから、土門拳記念館に立ち寄っていこうかなとか思っていたのですが、12:00に秋田に行くには、9:00鶴岡発の普通列車に乗っていかなければいけないことが判明し(完全に調査不足)、秋田まで直行することになりました。電車は海沿いを走るローカル線で、こういう移動も良いものだなぁと思いながらスマホをいじっていました。

秋田でのお昼ご飯は予約してあった天ぷらのみかわ (tabelog) です。名前からもわかるとおり、ここの大将は東京のみかわで修行された方です。みかわ是山居の立ち上げのところまでいたとおっしゃていました。お昼のコースも、基本的には夜と同じコースをやっていて、違いはお酒のおつまみが昼は出ないということでした。が、僕がビールと日本酒を(何杯か)飲んでいたら、アワビの肝といぶりがっこを出してくれたので、これが多分夜のコース相当だったのかもしれません。天ぷらはとてもレベルが高くて満足でした。魚と野菜は、ほとんど秋田の地のものを使っていて(穴子とホタテだけが秋田以外でした)、春になれば朝採れた山菜を昼にはお店で食べることができるということだったので、是非また来たいです。みかわ一門のお店はここ以外にもあるそうで、福島のしおや (tabelog) は兄弟子のお店で、大将の次に是山居にいた中国出身の方は北京で雪崴 (facebook)というお店を開いたそうで、さらに近々岡山にも別のお弟子さんのお店ができるそうです。 ちなみに、北京のお店が本店も含めて一番単価が高いお店になっているそうです。さすが中国。

このあとホテルにチェックインして昼寝をしていました。夜の居酒屋は18:00から予約。しかし、飲んで昼寝をしてしまうと、起きて飲む気力が湧いてこないことがわかりました。修行が足りない。

で、気を取り直して今回のメイン、酒盃 (tabelog) です。予約時にコースを頼まないといけない感じだったので、5000円(高い方)のコースにしました。お店では、アラカルトにしますかと聞かれているお客さんもいたので、コースは必須ではなさそうですが、前回来た時に比べると、アラカルトで選べるメニューがかなり少なくなっていたので、基本コースのお店になったような気がします。あと、写真撮影もできなくなっていました。まぁいろいろあったのでしょうね。ここでは、ビールと、お燗を2本と、冷酒を半合だけ飲んで終わりにしました。ちなみに、冷酒は天の戸の夏田冬蔵をいただきました。昼のみかわさんで天の戸を飲もうと思ったら、天の戸は酒盃さんのレパートリーがあるから夜飲むべきだと言って飲ませてもらえなかったので 🙂

最後に、ル・ヴェール (tabelog) というバーに行きました。いつも行っている東京のお店で秋田に行くと言ったら薦められたお店で、ドレスコードがあるということで、今回の旅行はこのためにジャケットを持ってきていたのでした。酒盃から歩いてきたのでかなり暑くて、一杯目はジン・トニック、二杯目は隣のお客さんが是非飲むべきと言っていたのでマンハッタンを、最後に甘いお酒をという注文に、ル・ヴェールというお店の名前のついたオリジナルカクテルを出してくれました。たしかにマスターは(若干)強面ですが、どのカクテルも美味しかったです。ここはまた是非来たいです。

お酒を目的とした旅行は、二日酔いにならない程度に飲むという加減が難しいですね。今回は二日酔いにはならなかったものの、三日目はお酒の欲求が湧かなかったので、盛岡で冷麺を食べてさっくり帰ってきました。おしまい。