エルサレム旅行のススメ

イスラエルに遊びに行ったという人はあまりいない気がするのですが、イスラエル、特にエルサレムはとてもいい所だと思うので、旅行先の候補に入れてみてはどうでしょうか、という話です。

まずイスラエルへの行き方ですが、日本からは直行便がありません。これが多分最大のボトルネックです。僕は、ANAで行ったのですが、ブリュッセル経由で20時間くらいかかりました。朝11時成田発の飛行機に乗って、テルアビブ空港に着くのが日本時間の午前7時です。。でも、航空会社を選ばなければ、ワルシャワ経由とかイスタンブール経由とかで、16-17時間で行けそうです。ヨーロッパ旅行のついでに行けばよいかもしれません。

多分、次に気になるのは安全面だと思いますが、行ってみた感じ、普通の外国の安全度という印象です。実際、外務省の海外安全情報を見ても、パレスチナ以外はレベル1で、インド全域と同じくらいのレベルです。ロケットが飛んで来るかもと心配かもしれませんが、パレスチナから飛んで来るロケットの威力は現状相当弱いです(wikipediaのカッサームロケット参照)。あるイスラエル人は、直撃しなければ死なない、大きな石を投げてくるのと同じ、と言っていました。しかも、飛距離が短くて、現状ガザ地区から発射されるので、エルサレムとかテルアビブにはそもそも届きません。もちろん状況は変わりうるので、将来どうなるかは分かりませんが。

さて、イスラエルに行くとしたらまず訪れるべきはエルサレムでしょう。その中でもハイライトは旧市街、城壁に囲まれた1平方キロメートル弱のとても小さな区域で、半日あればぐるっと観光できます。

まず、街の風景がとてもきれいです。エルサレムの建物は、エルサレム周辺で取れた石を使って建てなければいけない決まりになっているので、街並みが薄いベージュ色に統一されています。

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エルサレム旧市街のすぐ外のブランドショップが立ち並ぶエリア。この通りは、第一次中東戦争時は最前線で、建物の上にはイスラエルとアラブ双方のスナイパーが陣取っていたらしい。

旧市街は、4つの区画に分かれていて、ユダヤ人、イスラム教徒、キリスト教徒、アルメニア人が住んでいます。街の雰囲気がそれぞれ異なるので、街歩きが楽しいです。

その中でも、見どころの一つは、ユダヤ人地区にある嘆きの壁。壁に手と頭をつけて祈っている人、壁の前においてあるプラスチック製の椅子に座って経典を読んでいる人、グールプで輪になって経典を詠唱している人、それぞれのスタイルで祈りを捧げていました。

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嘆きの壁は近くから写真を撮ることは禁止されている。男性は左、女性は右に分かれて入る。
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キッパ(頭に乗せる帽子のようなもの)を持っていない人には、無料で白のキッパをくれる。ちなみに、頭が隠れていれば、キッパでなくても野球帽でもよいらしい。

イスラム教徒地区に行くと雰囲気はがらっと変わって、沢山の商店と人でごった返して活気があります。しぼりたてザクロジュースを飲んだり、お菓子を買ったりしながら、ブラブラすると楽しいと思います。観光客向けの店も多いので、あまり高いものは買わない方よいかも。

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最後に、エルサレムはネコの多い街です。イギリスがこの街を占領したときに、ネズミが多いのでネコを持ち込んだのが始まりだとか。いたるところでネコを見かけました。

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松本2泊3日旅行

長野県の松本市に2泊3日で旅行してきました。特別なことがあったわけではないけど、旅行のメモです。

まず、松本は意外と遠いです。新宿駅から3時間くらいかかるので、実は京都へ行くよりも遠いくらいです。初日は午後2時くらいに家をそろそろ出発するか、と思ったら、宿の夕食にギリギリの時間になってしまいました。。

2日目は、レンタカーを借りて、安曇野の方へドライブしました。特に目的もなかったのですが、大王わさび農場へ行ってわさびカレーを食べたり、ちひろ美術館へ行っていわさきちひろがバリバリの共産党員だったことを学んだりしました。

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途中つかれたので、Chill out style coffeeという喫茶店で、1時間くらい休んでました。東京の喫茶店で働いていた方が始めた喫茶店らしく、一人用の椅子が窓際にずらっとならんでる面白いスタイルのお店です(写真を撮り忘れた)。

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あとは、最後に旧国鉄篠ノ井線の廃線跡に行ってきました。

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夜は、松本市内で食事をしたあとMain bar coatというバーへ行きました。蔵の2階にあるバーなのですが、とてもしっかりとした良いバーでした。夜9時まで禁煙というのもおすすめのポイントです。

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3日目は、松本市内を観光しました。ホテルで朝食をとらずに、栞日(しおりび)というオシャレカフェで朝ごはんを食べました。網で焼いたトーストが美味しかったです。店舗は、高橋ラジオ商会という昔の建物をそのまま使っていますが、中はきれいに改装してあります。

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あとは、松本城をみたり、旧開智学校をみたり、開運堂 松風庵でお茶をしたり、八百源わさび漬店でお土産をかったりして、帰りました。おしまい。

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パレスチナ、ヨルダン川西岸地区のエリアAへ行く

仕事でヨルダン川西岸地区(West Bank)に行く機会があったので、パレスチナという場所の印象を、記憶が鮮明なうちに書きとめておきます。

West Bankは、1967年の第三次中東戦争でイスラエルが占領した地域です。West Bank全体が単純にパレスチナというわけではなくて、パレスチナ政府が支配している地域とイスラエル政府が支配している地域が混在しています。今回訪れたのは、エリアAと呼ばれる、パレスチナ政府が警察権、行政権ともに、完全に自治している地域です。

エリアAと他のエリアの境界には、チェックポイントと呼ばれる国境ゲートのようなものがあります。イスラエル国民は、エリアAに入ることが禁じられているので、イスラエルの人と話をしても、エリアA内に行ったことがある人は実はあまりいません。今回、エルサレムから我々に同行して来たイスラエル人のガードマンも、このチェックポイントの前でバスを降りて、パレスチナ人のガードマンと交代しました。また、一般に、この逆向きの通行(エリアAから、イスラエル支配領域への移動)は審査が厳しく、イスラエルで働くパレスチナ人は、労働許可書を手に、毎朝チェックポイントに行列をして入国審査を受けるそうです。時間がかかるため、朝の4時5時から行列をすると言っていました。

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チェックポイントの外に立っている看板。イスラエル市民のエリアA入域を禁ずる。

初めに訪れたのは、ベツレヘムという街で、聖誕教会というキリスト教の聖地がある街です。普通の観光だったら聖誕教会へ直接行くのですが、今回は、かつて街の玄関口となる片道2車線の道路があった場所からスタートしました。現在は、その道を分断するように、壁が建てられて、エリアAをイスラエル入植者の住む地域からから隔離しています。

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ベツレヘム入り口近くの分離壁と監視塔。
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壁には落書きがされている。風刺画的なものが多い。
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The Walled Off Hotel 。2017年に、覆面アーティストBanksyがオープンした。

この壁のすぐ反対側にイスラエル人入植者が住んでいるかというと、そういうわけではなくて、彼らの住むアパート(Settlementと呼ばれる)は、比較的離れた丘の上に建てられています。ちなみに、West Bankの電気と水はイスラエルから供給されていますが、断水することが多いらしく(ある人は、週に2日しか水は通じないと言っていました)、パレスチナのアパートの屋上には水を貯めるタンクが必ずあります。一方、Settlementでは断水はないようです。

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遠くに見えるSettlement。

ベツレヘムの街の中心の聖誕教会周辺は、エルサレムの旧市街のような綺麗な街並みが広がっています。範囲は狭いですが、お土産屋や食べ物屋があり、観光客も少なからずいます。特にキリスト教の聖地巡礼ツアーで来る観光客が多いようです。元々抱いていたパレスチナのイメージとはかなり異なる風景でした。

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次に、West Bank最大の都市、ラマッラーを訪れました。ここはパレスチナ政府の実質上の首都で、人口は3万人ほどの街です。ちなみに、我々は、一度ベツレヘムのあるエリアAを出て、エリアCを通って、ラマッラーのあるエリアAに入りましたが、パレスチナ人がこのルートを通るにはチェックポイントで許可を受ける必要があり、必ずしも通れるとは限りません。

ラマッラーは至って普通な街にみえました。数ヶ月前から3Gが通じるようになったらしく、道にはスマートフォンを片手に歩く人がたくさんいました。ラマッラーの中心に来れば、パレスチナ人しか住んでいないから衝突もなくて逆に安全だと、現地に住む人も言っていました。普通の街との違いといえば、建物を上に必ずある黒い貯水タンクくらいでした。

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夕方、エルサレムに戻るためにチェックポイントへと戻ってくると、また、壁と落書きが現れて、パレスチナにいることを思い出させます。エリアAから出るときは、入るときより厳しめの検査がなされて、我々のバスにも警察官が乗り込んで、全員のパスポートをチェックしました。

ちなみに、エリアAへの入域チェックが常に軽いわけでもなく、その時の治安情勢によってどうにでも変わり得るそうです。実際、我々が通過した朝は、なにもチェックがありませんでしたが、その直後から全員のパスポート検査があり、時には予告なくチェックポイントが封鎖されることもあるそうです。

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ラマッラーのチェックポイント近く。このあたりから撮影禁止。