「霞町雑記」– 六本木通りから富士山が見えた時代

「霞町雑記」– 六本木通りから富士山が見えた時代

西麻布の昔の様子を描いた本が読みたくて、霞町というタイトルがついた本を検索した結果、古本で買ってみた本です。結論からいうと、霞町の様子はほぼ全く書かれていませんでした… ^^;

唯一の描写は「序にかえて」の部分だけ、ちょっと長いけど引用すると、

私は麻布霞町に住んで居る。六本木の十字路から約十分の行程である。良いことに、この十字路の角に、老舗の書物屋がある。車から降りて、書架の新刊書に一通り目を通し、それからツエをついて帰るに、丁度かつこうである。このコースを実行し度いといつも思いながら、帰りは大抵夜になり、いつしれず怠つて終う。ある土曜日の日、それは冬としては珍しく晴渡つた夕陽の時であった。私はゆつくり緩り歩む。富士はあの端麗な姿で、真向いに私を迎えるかの様である。

この六本木交差点の書店というのは、2003年に閉店した誠志堂書店。当時(昭和25年)には、六本木通りから富士山が見えたみたいですね。

ちなみにこの本の著者は日銀総裁、大蔵大臣だった一万田尚登。敗戦直後の日本の雰囲気が伝わってくる文章でした。

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